8月号

司祭のことば 今月の予定 ご報告 その他

司祭のことば
 花火

 今年の夏は、ほとんどの花火大会が中止されているようです。東日本大震災に対応して自粛したもので、震災からほどない頃の中止決定を、私も当然のことと受けとめました。暢気に花火なんか見上げて喜んでいる場合じゃないと思ったのです。
 ところが、あれから四ヶ月経った猛暑の今、花火大会のない夏はやっぱりちょっと寂しいし、経済効果とか元気づけとかの意味で、少しくらいやってもいいんじゃないか、などと考えている自分に気づき、少なからず動揺しています。なんて移り気なのでしょう。
 大震災当日、私は目黒教会にいてずっとテレビにかじりつき、ワ〜とかウ〜ンとか呻きながら立ったり座ったりしていました。地震とそれに続く大津波の底知れぬ恐ろしさを目の当たりにして、何もできない自らの非力さ、不甲斐なさにいたたまれなかったのです。
 何日か経って地震や津波そのものの脅威から少しずつ解放されてくると、早くもボランティアが被災地に入り始めました。自分も今すぐに、と思ったのですが、予定が手帳を埋めていて、なかなか実行に移すことができませんでした。日毎に日常の生活を取り戻していく東京にいて、ただ祈るしかない状況に、もどかしい思いばかりが募っていきました。早く行かなければ、何とかしなければと、焦り続けました。
 六月の初め、地震から三ヶ月近く経ってようやく、宮城県の塩釜に入ることができました。ボランティアセンターで紹介されたヘドロ掻きの手伝いをしたあと、七ヶ浜や松島、東松島、石巻の被災状況を見て回り、帰路には福島県の白河や栃木県の那須にも立ち寄って帰京しました。
 行きたくてもなかなか行けなかった被災地に、時間を遣り繰りしてついに行くことができた、ちゃんと肉体労働のボランティアもしたし、やるべきことはやったのだ。自分自身に課した使命をとりあえず果たせたことに安堵し、達成感と充実感にやっと浸ることができたのです。
 ところがこの達成感、充実感が、私の気持ちを被災地から少しずつ離れさせていきました。自分は被災地に行ったしボランティアもしたのだから、とりあえずはオーケーだ、落とし前はつけた、誰にも文句を言われる筋合いはないと、自分自身に言いわけするようになってきたのです。
 私の敬愛するH神父が以前、「気の毒だからとお金だけ寄付して、あとは知らないということなら、その寄付金は手切れ金じゃないか」と言っていたのを思い出します。後ろめたさという負の関係性を精算するための手切れ金。言い得て妙です。
 私の被災地でのボランティア体験は、被災地との関係に決着をつけるためのまさに手切れ金の役割を果たしていたのです。被災地訪問という手切れ金の支払いによって責務は果したし、震災と私との関係は新しい段階に入ったのだから、少しくらいなら花火もいいんじゃないか、というのが、私の心理の流れです。
 善きサマリア人は、追いはぎに襲われた人を見て憐れに思い、近寄って傷に油とぶどう酒を注ぎ、包帯をして、自分のろばに乗せ、宿屋に連れて行って介抱しただけでなく、翌日になると、デナリオン銀貨二枚を取り出し、宿屋の主人に渡して「この人を介抱してください。費用がもっとかかったら、帰りがけに払います」とさえ言っています。目の前の出来事にだけではなく、将来の懸念にも丁寧に対応しているのです。憐れに思った相手と徹底的にかかわり続けること、それこそが隣人愛だと、イエスは仰っておられるのです。
 私たちはみな、被災者を気の毒に思い、何かしてあげたい、何とかしてあげたい、と思っています。その気持ちに偽りはないでしょう。しかし、せっかくの思いがいつの間にか相手の思いと乖離し、自己目的化してしまい、都合のいいイベントを模索するようになってしまう危険性があるのです。何かしてあげたい、何とかしてあげたいという気持ちは、非日常的なイベントを体験することによって、何かしてあげた、何とかしてあげたという(自己)満足を与えられ、再び日常へと回帰していく口実を獲得します。
 私は被災地のためにこんなことをしました。以上。
 過去に論拠を求めたこのような隣人愛は、イエスが“善きサマリア人の譬え”で示してくださった未来志向の隣人愛とは異質なもののような気がします。ちなみに“手切れ金の譬え”を語ったH神父は、今でも時間をつくっては被災地の教会を回り、被災者やボランティアを励ますためにミサをし続けています。
 被災者に寄り添う気持ちをイベントで片付けてはいけない、花火一発で終わらせてはいけないのです。
助任司祭  伊藤 淳  

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今月の予定


初金ミサ   8月 5日(金)
 10時より小聖堂にて行います。
一粒会献金   8月 7日(日)
 今月は7日、第1日曜日のミサ献金の半分を神学生養成のための一粒会献金といたします。ご協力ください。
聖母被昇天の祭日   8月15日(月)
 ミサは7:30、19:00
平和旬間2011
「平和を実現する人々は幸い」
− 教皇ヨハネ・パウロU世 広島『平和アピール』30年 −
2011年8月6日(土) 〜 15日(月)

平和旬間2011にあたって
 1981年、教皇ヨハネ・パウロU世は広島の地で「戦争は人間の仕業です。戦争は人間の生命の破壊です。戦争は死です。」と訴えられました。この広島での平和アピールにこたえて日本の司教団は平和旬間を定めました。広島に原爆が投下された8月6日から8月9日の長崎の原爆投下をはさんで太平洋戦争敗戦に至る8月15日までの10日間を、とりわけ平和のために祈り、平和について学び、行動する期間としています。
 ※行事の詳細はパンフレットまたは掲示板をご覧ください。
    
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ご報告

 
初聖体おめでとう
 6月26日、キリストの聖体を祝う10時のミサの中で10人のこどもたちが初聖体のお恵みをいただきました。
バザーグループより
 2011年バザー収支の報告を致します。
皆様のご協力で目標額を達成することができました。バザーグループを代表してお礼申し上げます。        
 バザーグループ 代表  森田茂材  
ご報告
 聖ペトロ聖座への特別献金200,710円は、7月5日大司教館へ送金いたしました。ご協力ありがとうございました。
ペットボトルのキャップ第34回目の回収報告
  ポリオワクチン 60人分
  CO2削減 378kg

 今回は5月10日に回収された分です。
 多くの方々の続けてのご協力ありがとうございます。皆様が集めてくださったものを推進協会よりの大きな袋につめかえて渡します。その時アルミのキャップまたカンのプルタブがかなり混ざっている場合があります。1つ2つは仕方がないのですが相当数混ざっているのがあります。ペットボトルのキャップとPPと表示されたキャップのみを集めていますのでご承知ください。また、袋に100こ、500ことか数えて記入されているのがありますがこちらのためには数えていただかなくても結構です。続けてのご協力よろしくお願い致します。
ヌヴェール愛徳修道会 目黒共同体  

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その他

港・品川宣教協力体合同堅信式
 10月23日(日)岡田大司教司式のもと10:00より麻布教会でおこなわれます。
 中高生の対象者には堅信勉強のご案内と申込書、2007年以降の成人受堅対象者には申込書を近々発送の予定です。申込締切日8月28日(日)までに、必要欄をすべて記入の上、事務所にご提出ください。締切日厳守です。その他の受堅希望者は、聖堂うしろに用意しました説明書をお読みになり事務所にお申し込みください。
港・品川宣教協力体福祉連絡会から
 皆様よりお寄せいただいた中古アクセサリーのバザーでの売り上げは、例年通りCCSと福島にある桜の聖母学院の里親制度へ送金させて頂きました、ご協力ありがとうございました。
 9月5日(月)13:30より麻布教会にて「原子力発電を正しく理解するために」という講演会を開きます。多数ご参加ください。詳細は8月上旬のポスターチラシをご覧ください。
教会事務所の夏休み
 教会事務所は8月の水曜日、木曜日と11日(木)から20日(土)までお休みいたします。種々の手続きは、この期間を除いた日にお願いします。この期間中、維持費はミサ中に廻される献金籠の中に入れるか、司祭に直接お 渡しください。
よろずの部屋からのお知らせ
 よろずの部屋はどなたでも自由に様々なお話合が出来る憩いの部屋です。
  また、個人的な相談も出来ます。
 お気軽にご利用ください。お待ちしています。
  毎月・第2日曜日10時のミサ後13時まで
  場所・司祭館一階応接室
オリーブの会  
病人、高齢者への訪問
 病気のため、高齢のために教会にいらっしゃることができない方たちのために、御聖体をおもちいたします。ご希望される方、またそのような方をご存じの方は司祭までご連絡ください。交通費などのお心遣いは必要ございません。

受洗 2人 転入 1名
結婚 転出 1名
帰天 1名   住所・その他変更
詳細は、お知らせ8月号(印刷版)をご覧ください



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